糸を紡ぐー老舗タオルメーカーと共同開発した漆黒の“Su”の魅力

日本を代表するタオル産地、大阪泉州。この地の豊かな風土と水から、Suのタオルは生まれた。room705と、Suを共同開発したのは、1959年創業の老舗メーカー、丸中(まるなか)。吸水性が良く清潔で、肌触りも良い後晒しタオルの製法を用いた、泉州タオルの魅力をお伝えする。

 

和泉山脈の良質な水が織りなす、心地よいタオル。

タオルの生産において、最も重要なのはなんだろうか?糸?それとも織り方?もちろんそれも重要だが、タオルの生産において最も重要なのは、水、だ。

糸から紡がれたタオルをどのような水で「晒す(さらす)」のかによって、品質は大きく左右されると言われる。糸の強さではなく、仕上げの水の品質が、タオル自体の性質をも変えてしまうというのだから、驚きだ。

具体的には、タオルを生産する際につけたのり、油分、不純物を、良質な水できれいに取り除く過程のことを「晒し」といい、この過程を経ることで、肌触りがよく、吸水力が高く、劣化しにくいタオルがつくられる。この水の品質が良質な“軟水”であることが重要で、いわゆる工場用水はこれには適していない。天然の“軟水”を使うほうが、上質なタオルが生まれるのだ。

大阪泉州は、とても水に恵まれた土地だ。和泉山脈から海へと流れる際に生まれる、地下水を用いて「晒す」ことができる。安価な輸入製品が国内に入るようになった昨今でも、国内のタオルが選ばれるのは、この差があるから。Suはそんな大阪泉州の水から生まれた、良品質のタオルである。

丸中では、どのタオルも、縫製を機械式と手縫いの両方で行い、11枚を最終的には人の手で仕上げている。この縫製には職人の技術が必要であり、任せられる人数は限られるが、できる部分は機械を併用することで、多くの人にタオルを届けることに可能にしているという。

 

“ホテル”というコンセプトから生み出した艷やかさ。

丸中は1959年に生まれた、泉州タオルの中では“若い”メーカーだ。タオル生産の歴史は浅いが、競争の激しい環境の中でも、生き残ってきたのには、提案力に秘密がある。

当初、room705の「架空のホテルの一室」というコンセプトを聞いたとき、まず想像したのは「非日常な空間を演出する、高級な、包み込むようなタオル」だったという。丸中はそのイメージを実現できるような、糸の選定を行った。

丸中がイメージしたのは、ビジネスホテルにある、硬くてしっかりしたタオルではなく、そのタオルに包み込まれながらリラックスできるような、思わず触れたくなるような柔らかいタオル。

インド産の高級綿糸から作られた、長くて柔らかい糸を採用した。その糸を使うことで、タオルがゴワゴワにならず、優しくて包み込まれるような触りを実現。加えて、この綿糸は少し油分を含む糸のため、色に染めたときに、上品な感がでるのも特徴。染めたときに、高級感を出すことができるこの糸は、今回のコンセプトにぴったりだと思ったことも採用の理由だという。

 

漆黒に染めるという、挑戦。

 ブラックのバスタオルというものは、市場にはなかなか存在していない。これには理由がある。一つには、この黒の色を出すのが難しいこと。もう一つには、色落ちのリスクを無くすこと。

まず、この漆黒を実現するためには、実験が必要だった。どこにもよらない三原色の黒の実現をタオルで表現する。染料をどう配合するか。色見本を出しながら、何度も試したのである。加えて、色落ちをしない品質を試すために、染料の濃度のパターンもいくつか試さなければならない。「漆黒」しかも「色落ちしない」―このタオルは、挑戦に近いものだったという。

そうして実現したSuの漆黒のタオルは、まさに部屋に飾るだけでモダンなホテルライクなタオルに仕上がった。予想通り、糸の艶感と黒の色合いのバランスが絶妙な、唯一無二の仕上がりになったのだ。機能性をそのままに、デザインや風合いにもこだわり抜いたタオルができあがった。

受け継がれる泉州のものづくりの精神と、柔軟な発想の両方を持ち合わせる丸中と、共同開発で生まれたSu。まさにMade inJapan品質の、唯一の無二のタオルだ。

 

Su

Su”は、大阪の泉州で生まれた心地よいタオル。ホテルライクなデザインと、吸水性や肌触りといった機能性を兼ね備え、バスルームをモダンな印象に変えるようなタオル。都会的でスマートな印象を抱かせるブラックと、暖かく優しい印象を抱かせるグレーの2色展開。ブラックは高級感のあるバスローブも展開。ユニセックスで使える逸品。